3月3日 伊勢市議会 3月定例会にて一般質問を行いました。
文字起こし
○議長(北村 勝君) 次に、4番・森下議員。
○4番 一人会派、みらいをつくる会、森下知世です。
議長のお許しをいただきましたので、通告に基づき、五十鈴公園の立体駐車場設備計画
における公共の福祉と市民の環境権の整合性及び将来世代の責任について並びに伊勢弁の
文化的価値と認識と公的な記録保存及び利活用について質問いたします。
まず始めに、五十鈴公園における立体駐車場設備計画と景観及び自然環境の保全につい
てお伺いいたします。
五十鈴公園は、市民の皆様が日常的にウオーキングや休息を楽しみ、時にはマルシェの
開催や小学生の遠足でにぎわう多世代の交流の場であります。また、野鳥の探鳥地ベスト
ガイドにも掲載されるほど豊かな生態系を有し、バードウオッチングを楽しむ方々にも愛
されている市内でも貴重な実りの空間です。
現在、特定の時期に発生する周辺の渋滞緩和や利便性向上を目的として、立体駐車場の
設備が計画されています。渋滞対策は、市民生活の利便性を向上させる上で重要な課題で
あると理解しております。一方で、この計画によって、これまで市民が親しんできた公園
の景観や自然環境に影響を及ぶ可能性についても、多くの市民の皆様が関心を寄せておら
れます。
行政には、現在の課題解決だけではなく、将来の世代にとっても価値ある環境を守り、
引き継いでいくという視点が求められていると考えます。そこで、憲法の理念、都市公園
の目的、そして将来世代への責任という観点から、順次お伺いいたします。
1、憲法の理念と伊勢の景観保全について。
まず、憲法の理念と環境保全の関係についてお伺いいたします。
憲法第25条では、全ての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すること
が定められております。この健康で文化的な生活には、安全で快適な生活環境だけでなく
、自然や景観と共に心豊かに暮らすことも含まれているのではと考えています。また、市
長には、憲法第99条に基づき、憲法を尊重し擁護する義務があります。本計画において、
樹木の伐採などにより、景観や自然環境に変化が生じる可能性がある中、市民の生活の質
を支える環境への影響について、どのようにお考えか、市長の御認識をお聞かせください
。
さらに、伊勢市環境基本条例の前文には、良好な環境を将来の世代に継承する責務が明
記されております。樹木や生態系は、長い年月をかけて育まれてきたものであり、一度失
われた場合、その回復には多くの時間を要します。今回の計画による渋滞対策と将来世代
への環境の継承という責務との関係について、市長はどのように整理されているか、御見
解をお聞かせください。
2、都市公園法第1条の目的に対する妥当性について。
次に、都市公園法第1条の目的との関係についてお伺いいたします。
都市公園法では、公園は公衆の健康の保持や休息、そして自然との触れ合いの場として
整備されることにより、公共の福祉の増進を資することを目的としているとされています
。今回の立体駐車場の整備は、渋滞対策や利便性向上を目的としたものであると理解して
います。その整備によって、公園の自然環境や静かな空間が大きく変わる可能性について
、市民の皆様の休息の場としての機能と観光交通対策としての機能の両立について、どの
ように市民生活と観光が共存できる仕組みを構築するのか、都市公園法の目的に照らし合
わせた見解を伺います。
3、将来世代への財政負担と自然環境の保護について。
最後に、将来世代への責任についてお伺いいたします。
社会環境や交通状況は、少子高齢化などの理由により、今後大きく変化していく可能性
があります。そのような中で、将来的にこの立体駐車場が現在想定している形では不用と
なる可能性も否定できません。そのような場合には、解体や原状回復が必要となることも
想定されます。その際に、費用について将来の市民に過度な負担を残さないためにどのよ
うな見通しと仕組みをお考えなのか、お聞かせください。あわせて、一度失えば取り戻す
ことができない樹木や生態系、そして長年育まれてきた土壌環境を損なうことに対し、行
政としてどのような責任を果たされるおつもりでしょうか。代わりに木を植えるといった
形式的な手法にとどまらず、失われる豊かな環境価値、そして市民が親しんできた風景に
対して市長の御見解をお伺いします。
次に、有形の財産だけではなく、目に見えない無形の文化を記録という形で有形の財産
として未来へ残していくという観点から、伊勢弁の文化的価値と認識と公的な記録保持及
び利活用についてお伺いいたします。
まず、伊勢弁の文化的価値と保存の必要性についてです。
私たちが日常の中で自然に使っている伊勢弁は、単なる言葉の違いではなく、伊勢の地
で長い年月をかけて育まれてきた大切な地域の文化の一つであると考えます。そこには、
このまちで暮らしてきた人々の生活や価値観、そして人と人との温かな関係性が込められ
ていると感じております。しかしながら、近年は高齢化や生活環境の変化により、伊勢弁
を日常的に使う方が少しずつ減ってきているのが現状です。言葉は使われなくなると次第
に失われていき、一度失われてしまった言葉の響きや表現を正確に取り戻すことは容易で
はありません。令和8年度当初予算においても、歴史文化の継承が掲げられておりますが
、この地域に根差した大切な文化の一つである方言について、市としてどのようにその価
値を認識し、次の世代へ引き継いでいくべきものであると考えられておられるか、市長の
御認識をお聞かせください。
次に、公的事業としての音声記録保存についてお伺いいたします。
方言を正しく後世に伝えるためには、文字として残すだけではなく、アクセントやイン
トネーションといった音としての記録をすることが重要であると考えます。例えば、平板
なアクセントで「オッサン」と発音すればおじさんという意味になりますが、最初の「お
」にアクセントを置くと、「オッサン」はお坊さんという意味になります。このように、
同じ言葉であってもアクセントの違いによって意味や受け取り方が変わることがあり、こ
うした言葉の繊細な違いや背景は、音声として記録することで、より正確に残すことがで
きるものと考えます。
市内におきましては、老人会など地域の皆様や有志の方々が伊勢弁の保存に取り組まれ
ておられます。また、ある市民の方は、20年以上にわたり約4,000語もの語彙を収集し、研
究を続けてこられたと伺っております。こうした長年の御努力と地域の思いに深く敬意を
表すところであります。
一方で、これらの貴重な成果を音声として記録し、整理し、将来にわたって確実に保存
していくためには、個人や団体の活動だけでは難しい面があると考えます。市民の皆様が
積み重ねてこられた大切な知識や記録を地域全体の財産として守り、将来へ引き継いでい
くためには、市が主体となり、専門的な知見も取り入れながら公的な記録として保存して
いくことが必要ではないでしょうか。特に、伊勢弁を日常的に話される世代の方々が御健
在の今こそ、記録保存に取り組むことが重要であると考えますが、市として公的な音声記
録の保存に取り組むお考えがあるかお伺いいたします。
最後に、地域資源としての方言の利活用についてお伺いいたします。
文化は、保存するだけでなく、日常の中で生かされることで、より身近なものとなり、
次の世代へと自然に受け継がれていくものと考えています。現在、本市においては、方言
を活用した具体的な取組は多く見られませんが、伊勢弁は本市の魅力を伝える上で大きな
可能性を持つ地域資源であると考えます。例えば、市の情報発信に伊勢弁を取り入れるこ
とで、より親しみやすい発信が可能になるのではないでしょうか。また、近年発展してい
るデジタル技術を活用し、伊勢弁による温泉案内など、観光分野に取り入れられることも
考えられます。さらに、学校教育の中で、地域の言葉に触れる機会を設けることは、子供
たちが自分の住むまちへの理解を深め、愛着を育むことにもつながると考えています。こ
のように、保存にとどまらず、観光や教育など様々な分野において伊勢弁を活用していく
ことについて、市長のお考えをお聞かせください。
以上、通告に基づき質問させていただきました。市長並びに当局のお答えを踏まえ、内
容によっては再質問させていただく場合がございますので、よろしくお願いいたします。
○議長(北村 勝君) 市長。
○市長(鈴木健一君)
それでは、森下議員の御質問にお答えします。
まず、立体駐車場の整備計画についてでございます。
憲法の理念と景観保全についてですが、立体駐車場建設を含みます駐車場の再編事業に
ついては、憲法第25条及び第99条の定めを遵守し、住民の生活に支障を来している渋滞を
緩和させることによりまして、生活環境の改善が図られるものと考えております。また、
自然環境につきましても、基本条例にあるように、環境や景観に配慮し事業を進めてまい
りたいと思います。
次に、都市公園法の目的ですが、運動公園である五十鈴公園につきましては、スポーツ
大会等におきまして公園の駐車場の不足や、来訪される車両によりまして周辺道路に渋滞
が発生をし、利用者や地域住民の生活に支障を来しております。このことから、公園施設
として立体駐車場を整備し、公共の福祉の向上を図っていきたいと考えております。
最後に、将来世代への財政負担と自然環境保護ですが、平成5年の式年遷宮以降、長期
的なスパンで見ますと駐車場の需要は増加をし、今後も同様または増加することが十分考
えられます。このような状況を踏まえますと、駐車場料金を原資といたしました交通対策
の重要性はさらに高まっていくと考えております。
将来におきましては、交通対策を実施をしながら、駐車場の解体が必要となった際にも
この原資を有効に活用し、負担を残さないようにしてまいります。また、公園の原状回復
についても管理者と協議をし、適切に対応してまいりたいと思います。
続いて、伊勢弁の文化的価値の認識と公的な記録保存及び利活用についてお答えいたし
ます。
方言は、各地域の文化として伝承されまして、世代を超えて日常生活の中で慣れ親しま
れております。また、地域の中の円滑なコミュニケーションを促し、人と人との信頼感や
仲間意識を深める役割を果たしてきたと考えております。伊勢弁につきましても、長い歴
史の中で育まれ、この土地ならではの歴史、風土を伝える役割を果たしていると認識をし
ております。これまでも、民話や芸能、高齢者とのコミュニケーションを通じて触れられ
るほか、伊勢市史をはじめ様々な書籍に専門家による解説が掲載をされ、また伊勢方言と
して紹介するかるたも作られております。
今後も様々な機会を通じ、方言に触れ、地域の歴史文化に関する理解が深まる取組を検
討し、子供から高齢者まで豊かな心を育ててまいりたいと考えております。
次に、伊勢弁の伝承のためのアクセントやイントネーションを正確に記録する音声の記
録保存は、有効な手段の一つであると認識をしています。保存方法や地域資源としての活
用については、他市の事例や専門家等の御意見を参考にしていきたいと思います。
なお、最近の伊勢の観光ポスターにつきましては、「おいないさ、伊勢」ということで
伊勢弁も活用しているところでございます。
以上、森下議員の御質問にお答えしました。御理解賜りますようお願い申し上げます。
○議長(北村 勝君) 森下議員。
○4番(森下知世君) 市長、御答弁ありがとうございました。
幾つか再質問させていただきます。
憲法の理念と伊勢の景観保全について再質問させていただきます。
市長からは、憲法を厳守し、生活環境の改善を図るとの御答弁いただきました。渋滞緩
和が生活環境の改善につながるという御説明でしたが、一方で、樹木の伐採によって景観
や緑の環境が損なわれることもまた市民の健康で文化的な生活を侵害し ます。渋滞緩
和という利益と樹木伐採による環境損失をどのように比較検討されたのか、当局のお考え
をお聞かせください。
○議長(北村 勝君) 都市整備部参事。
○都市整備部参事 比較検討につきましては、渋滞緩和と樹木伐採は住民皆様の生活環境を
総合的に考慮し、判断すべきと考えております。渋滞は生活に不便をもた
らし、時間的損失であったり、大気汚染にもつながります。これらの解消は、健康で快適
な生活環境のために重要であります。一方で、伐採による景観も自然の損失も十分認識し
ております。
以上でございます。
○議長(北村 勝君) 森下議員。
○4番(森下知世君) ありがとうございます。
次に、伊勢市環境基本条例の前文には、恵み豊かな環境を市民共有の財産として維持し
、将来の世代に継承していく責務を負っているという言葉があります。今ある緑や景観は
市民のみんなの財産であり、将来の子供たちにも残していくべきと考えます。配慮して進
めるとのお言葉いただきましたが、具体的にはどのような配慮をお考えなのか、お聞かせ
ください。
○議長(北村 勝君) 都市整備部参事。
○都市整備部参事 具体的な配慮といたしましては、事業者の提案において
伐採の影響を最小限にし、伐採する樹木の代替として植栽を実施するなどを計画に盛り込
んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(北村 勝君) 森下議員。
○4番(森下知世君) ありがとうございます。
都市公園法第1条の目的に対する妥当性について再質問させていただきます。
市長は、大会時の混雑解消を公共の福祉の向上とおっしゃいました。確かにスポーツ振
興や周辺の渋滞緩和は、大切な行政課題です。都市公園法が定める公共の福祉には、緑豊
かな環境で市民が休息し、四季を感じるという情緒的な福祉も含まれているはずです。一
部の大会開催時の利便性のために、365日そこにある自然の恵みという福祉が損なわれるこ
とは、バランスの面でいかがお考えでしょうか。市民の休息の場が損なわれることについ
て、当局のお考えをお聞かせください。
○議長(北村 勝君) 都市整備部参事。
○都市整備部参事 休息の場につきましては、繰り返しの答弁になりますけ
れども、損なわれないように計画していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(北村 勝君) 森下議員。失礼しました。
○4番(森下知世君) ありがとうございます。
市長は、運動公園としての駐車場不足を理由にお挙げになられました。ただ、今回の計
画には、パーク・アンド・バスライドを縮小し、内宮に近いこの場所に駐車場を新設する
ことで観光客の滞在時間を延ばし、地域消費を促すという観光経済対策としての側面があ
ります。都市公園内の駐車場は、本来公園を利用する市民のための施設であるべきと考え
ます。観光施策のために、市民の憩いの場であり、野鳥の生息地でもある五十鈴公園の自
然に影響を及ぼすことは、都市公園法の本来の趣旨から外れているのではないでしょうか
。当局のお考えをお伺いいたします。
○議長(北村 勝君) 都市整備部参事。
○都市整備部参事 都市公園法の趣旨でございますが、観光経済対策はあく
まで副次的なものであって、公園利用者の利便性向上と渋滞対策が趣旨となっております
。そういったことで、公共の福祉に合致すると考えております。
以上でございます。
○議長(北村 勝君) 森下議員。
○4番(森下知世君) ありがとうございます。
次に、市長がおっしゃる公共の福祉の対象が具体的に誰を指しているのか確認させてく
ださい。
観光客や来訪者の利便性とともに、この公園を大切にしてきた市民の日常の福祉もまた
著しく存在しています。観光促進という経済的な側面と、市民が自然の中で心を穏やかに
過ごすという情緒的な側面、この2つを五十鈴公園という限られた空間の中でどのように
調和させていくのか、具体的なお考えをお聞かせください。
○議長(北村 勝君) 都市整備部参事。
○都市整備部参事 対象と調和の御質問でございますが、スポーツ大会や休
息の場として公園を利用される方や地域住民の方に対する日々の生活環境などのバランス
について考えていきたいと思っております。
以上でございます。
○議長(北村 勝君) 森下議員。
○4番(森下知世君) ありがとうございます。
次に、市長からは、駐車場料金を原資として解体費用に対応し、次世代に負担を残させ
ない。原状回復にも適切に対応するとの御答弁いただき、その点は理解いたします。ただ
、駐車場の利用料金は、その時々の社会情勢や利用状況によって変わるものです。将来に
わたって確実に解体費用を賄える財源が確保できるのか、市民の皆さんが安心できるよう
、積立ての仕組みや見通しについて具体的にお聞かせください。
○議長(北村 勝君) 都市整備部参事。
○都市整備部参事 現時点で、将来の社会情勢であったりとか利用状況を想
定するのは困難という前提の上での答弁になりますけれども、PFIの事業期間中の収益
に加え、期間終了後、つまり初期投資費用完済後は黒字幅が大きくなると想定しておりま
す。また、将来においては、駐車場料金の見直しによる財源確保であったり、想像を超え
て利用者が減少した場合などは、渋滞対策に要する費用も削減されると思っております。
以上でございます。
○議長(北村 勝君) 森下議員。
○4番(森下知世君) ありがとうございます。
市長と当局の皆様の御答弁ありがとうございました。
今回の議論を通じて、立体駐車場設備が渋滞緩和や観光振興、将来の財源確保など多岐
にわたる意図が含んでいることが改めて示されたと思います。ただ、御見解を伺うほどに
、利便性や経済性を重視する行政側と、環境権や日常の安らぎを大切にしたい市民側との
間でまだ十分に議論がかみ合っていないように感じる部分があると思います。
年間10日間程度実施しているパーク・アンド・バスライドの単体の収支が赤字であり、
今後の人件費の高騰や運転手不足、借地の確保といった課題から縮小していきたいとのこ
とで、現場の維持に御苦労されている状況は理解しております。ただ、その維持費は市営
駐車場の収益から賄われており、駐車場全体の収支で見れば黒字を維持しています。でき
る限り渋滞対策の一つとしてパーク・アンド・バスライドを続けていくべきではないかと
考えております。
また、駐車場の新設とともに、今後精算機の更新やキャッシュレス化、駐車場料金の見
直しも併せて検討されておりますが、本市の料金設定はほかの観光地と比較しても決して
高くはありません。市長は宿泊税の導入も検討されておりますが、滞在時間が長く地域経
済への貢献度が高い宿泊客、そしてその受皿となる宿泊業者にのみ負担を強いるのではな
く、むしろ渋滞や環境負荷の主な原因となっている日帰りで訪れる車両に対して適切な御
負担をいただき、その財源を公共交通の維持や環境保全に充てることこそ、公平な受益負
担の在り方の一つではないかと考えております。
また、世界的にSDGsや脱炭素の取組が広がる中で、公共交通を縮小し自家用車の移
動をさらに推進していく方向性は、本市が目指す持続可能なまちづくりと少しそごがある
ように感じています。今後の地域交通の維持のためにも、公共交通機関を利用して外宮内
宮を巡っていただくための丁寧なPRや、多くの方が納得できる仕組みづくりに、共に知
恵を出していければと考えております。
また、計画が具体化していく過程においても、市民の切実な声に耳を傾け、この美しい
伊勢の自然と穏やかな暮らしを守り抜く道を粘り強く提案していただくことを強く求めて
まいります。
次に、伊勢弁についてお話しさせていただきます。御答弁ありがとうございました。
伊勢弁を地域の歴史民俗文化価値を有するものと明確に位置づけ、その音声保存の有効
性も認識されていることが確認できました。大変心強く感じます。先ほどの御答弁でも、
高齢者の方々とのコミュニケーションの大切さを語られておりましたが、生きた伊勢弁を
自然にお話しになられる世代は、本当に年々少なくなってきております。市民の皆様が長
い時間をかけて積み上げてこられた貴重な成果を散らばらせることなく、公的な財産とし
て残していくことは、時間との闘いです。検討には時間を有する部分もあるかと存じます
が、この文化が失われてしまう前に、市として前向きに取り組んでいただけますようお願
い申し上げます。
最後に、地域資源としての利活用について申し上げます。
活用の一つのモデルとして、ぜひ鹿児島県と鹿児島大学の連携事例に注目していただき
たいと思います。そこでは単なる保全にとどまらず、以下のような展開が既に行われてお
ります。デジタルAI技術の活用として、方言の翻訳アプリやAIによる対話型コンテン
ツへの応用、若年層観光向けの施策として方言を楽しく学べる動画コンテンツやゲーム、
音声による観光案内ガイドの構築、機運醸成として条例に基づいた方言習慣やフェスティ
バルの開催など、このように鹿児島県では方言を強力な地域ブランドとして活用しており
ます。
伊勢弁についても、単なる守るべき伝統として大切に保管するだけではなく、積極的に
活用していくステージにあると思います。特に今年の4月25日には、伊勢市歴史博物館が
開催を迎えます。将来的には、こうした公的な施設においても、保存された伊勢弁の音声
や展示を解説に活用し、来客者が伊勢の文化をより深く肌で感じていただけるような仕組
みについても検討していただきたいと思います。
本市が誇る歴史文化と現代のデジタル技術、そして新たな発信拠点を掛け合わせて、伊
勢弁の保存と活用に向けた具体的な一歩を踏み出していくことを強く提言いたしまして、

